古イイ看板

展示概要

イラスト:企画展古イイ看板 フライヤー

看板は古くから宣伝の道具として発展してきました。人々の関心を引き付け、店内に招き入れ、品物を買わせるだけの力量が看板に求められました。そのため、かたちや色彩など、人目につく工夫をしたものが多く見られました。また、その素材やデザインにはその時々の世相や流行を反映したものもあります。
秋田県内で使用された古い看板は、大火で焼失したり廃業と同時に破棄されたりと、その多くが失われており、現存する看板はとても貴重な資料です。本展では、県内で使われた看板に加え、江戸から昭和にかけて全国で用いられた看板の一部を紹介します。
展示の前半では模型看板・絵看板・ホーロー看板を展示し、後半では茶・薬・酒・乗り物というように業種別に分類・展示しています。

展示期間

2012年4月28日(土曜日)から2012年7月1日(日曜日)まで

展示構成

かたちを楽しむ

写真:企画展古イイ看板 展示の様子1

識字率の低かった時代、ビジュアルな表現を用いた模型看板がひろく使用されました。模型看板は業種や商品を立体的なかたちで表現したものです。例えば江戸時代、八百屋の場合は大根を組み合わせた意匠が用いられました。ここでは、江戸時代初期から明治にかけての模型看板を展示しています。

色彩を楽しむ

写真:企画展古イイ看板 展示の様子2

絵看板・文字看板

江戸時代の寺子屋ブームや明治時代の学制発布により、それまでと比較にならないほど識字率が上昇します。すると、それまでの模型看板に替わり、絵看板や文字看板が登場します。「絵看板」は、商品や店名を文字で記した他に、商品のイメージを膨らませる絵をくわえたものです。文字も金文字にして、墨で書かれただけの文字看板に比べて色彩が華やかで目立つだけでなく、広告の内容がわかりやすいことが「絵看板」の魅力でした。文字看板は、文字を中心に構成された看板です。絵看板にくらべれば、地味なイメージがありますが、力強く格調高い書体を用いたり、背景は黒、文字は金色にしてコントラストを鮮明にしたり、見た目の印象を大事にしていることは絵看板とかわりありません。江戸後期から昭和初期までの絵看板・文字看板を展示しています。

写真:企画展古イイ看板 展示の様子3

ホーロー看板

明治39年(1906年)に八幡製鉄所(福岡県)でブリキ板の工業生産が開始されるまで、ブリキ板はすべて輸入に頼っていました。国内での大量生産が始まると、ブリキ板にガラス絵の具で絵柄を印刷した「ホーロー看板」が登場します。ホーロー看板は大量生産が可能なこともあって、ラジオやテレビが登場するまで、代表的な宣伝媒体でした。戦後に写真製版技術が導入されると、芸能人を登場させるなど商品により親しみを持たせる工夫がなされます。ホーロー看板登場期のものから、懐かしい昭和40年代頃までに使用されたホーロー看板を展示しています。

なりわい

写真:企画展古イイ看板 展示の様子4

茶の生産については、日本三大茶として宇治茶・静岡茶・狭山茶が有名です。江戸時代には「茶屋」と言えば遊興する店を、旅人や通行人などに茶菓を提供し休息させる店を「茶店」と呼ぶ習わしがありました。それに対して、茶葉を売る店を「葉茶屋」と呼び、看板には茶壺の模型に「茶」あるいは「薄茶」などと書かれていました。また四角形や丸形が多いホーロー看板の中でも、茶壺形の看板が見られます。

写真:企画展古イイ看板 展示の様子5

市販薬の看板には、その効能をコンパクトにしかも目立つように伝えることが求められました。金箔を用いた豪華な看板や、商品名がインパクトの強い文字で書かれたものやイラストで描いたものがあります。看板には販売店の情報だけでなく「本舗」と呼ばれた薬の製造元の情報も記載されています。人に飲ませる薬だけでなく、家畜が重要な労働力であった頃には家畜に飲ませる薬の看板もあり、時代背景を感じさせます。

写真:企画展古イイ看板 展示の様子6

酒は一升瓶が開発されるまで酒樽単位で全国的に取引され、酒屋は必要量をはかって販売する「量り売り」を行っていました。量り売りをする際は酒屋の名前を書いた徳利を貸し、それに必要量を入れて販売する「貸し徳利」が行われていました。「貸し徳利」にはおおよそ一升入りました。酒屋と客との間を行ったり来たりするので「通い徳利」とも呼ばれました。一升瓶の開発は明治末でしたが、一升瓶単位で全国的に取引されるようになるのは太平洋戦争後のことです。酒の看板にも樽をデザインしたものと瓶をデザインしたものの両方があり、流通容器の変化を反映しています。

写真:企画展古イイ看板 展示の様子7

乗り物・石油

太平洋戦争後の復興期、それまで軍需生産に関わっていた工場が自動車・バイク・自転車などを生産するようになり、多数のメーカーが登場します。昭和30年代以降は本格的にモータリゼーションが進み、自動車やバイクが一般家庭にも普及しました。それに伴ってガソリンスタンドも増加し、道路沿いに乗り物や石油関連の看板が林立する、今日のような町並みが形成されます。
水上戦闘機の部品を使用したと言われるサイドカーや、軍用無線機に用いられた発電機用エンジンを使用した原動機付き改造自転車(自転車バイク)も展示しています。

看板クイズ

写真:企画展古イイ看板 展示の様子8

江戸時代の職人たちは玄関障子に絵を描いて看板代わりにしていました。それをクイズにしてみました。あなたはわかりますか。

さまざまな広告・宣伝媒体

写真:企画展古イイ看板 展示の様子9

江戸時代からチラシがありましたし、印刷物に広告を入れることもありました。江戸時代のチラシや大正時代の時刻表、昭和初期の雑誌などを展示しています。

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