| あらすじ |
昔、大場崎の六左工門の家に「作狢」という狢がいた「高梁(たかばり)(天井裏)」に住みついて唄ったり、話をしたり、足音をたてたりするが、姿は見せない。そして家の人が便所で用達をすると、お尻を「ペロリ」と甞めてくれるので何も世話がいらなかったという。
又ある時、家の婆さんが、梁の上に声高に「ああ、お金降ってくれればいいな-」というと、天井の穴からお金が降りだして、山ができた。お爺さんを呼んで二人で集めて、お爺さんの財布に入れようとすると、その財布は空っぽになっていたという。ある時は近所のご祝儀続きで、お婆さんはご馳走の番がこないでいた。また高声で「太兵工のご祝儀のお料理1品2品落ちてくればいいな!」というと、また天井穴から落ちてきた。ところが翌朝、ご祝儀の太兵工の家で料理するはずの「さかな」を見ると、無くなっていたという。その後のある日、狢は「謡」を歌い上げ、「今度弥助の家に行く」という。弥助は近所の柴の積んだ上で寝ている狢を見つけ、鉄砲でズドンと打った。はずれたが狢は六左工門の家に逃げて来て「弥助が恐ろしいので、今度「吉川山(峰吉川山)」へ行く。おれに会いたかったら、男鹿の真山本山に来てくれ」といいのこし、始めてみの笠の姿をあらわして立ち去り、後は音沙汰もないということである。 |