未完の地誌を紐解く 「雪の出羽路雄勝郡」と「勝地臨毫雄勝郡」

展示概要

文化8年(1811)以降、城下の久保田近辺に落ち着くようになった真澄は、秋田藩領六郡の地誌編纂に取り組みます。本格的な地誌編纂は文政7年(1824)の平鹿郡からになりますが、それ以前の文化11年(1814)から翌12年にかけて、真澄は雄勝郡の巡村調査を行いました。その時の記録が、「雪の出羽路雄勝郡」です。ただ、それはあくまでも草稿に過ぎず、また真澄の記録の大きな特徴ともなっている図絵が伴われていませんでした。結局、完成には至らず、現在、自筆草稿本1冊と写本4冊のみが残されています。地誌「雪の出羽路雄勝郡」の全容を知ることはできません。
しかし、雄勝郡の巡村調査時に描かれたと考えられる図絵集「勝地臨毫雄勝郡」が現存します。その中には多くの図絵が描かれ、地誌「雪の出羽路雄勝郡」の内容と照らし合わせて見ることで、当時の様子を知ることができます。
本展では、地誌「雪の出羽路雄勝郡」という未完成本について書誌的な側面から分析するとともに、特色ある記述をピックアップし、図絵集「勝地臨毫雄勝郡」に描かれた図絵とともに紹介します。本展を通じて、未完の地誌「雪の出羽路雄勝郡」の魅力を感じていただければ幸いです。

展示期間

2023年11月25日(土曜日)から2024年1月21日(日曜日)まで

会場

1階 菅江真澄資料センター

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