平成30年度 アイヌ工芸品展 キムンカムイとアイヌ 春夏秋冬

イラスト:キムンカムイとアイヌ春夏秋冬 タイトル画像

展示概要

アイヌの人々にとって、いくつかの動植物は食料や道具の材料になるだけでなく、精神文化の中で高く位置づけられてきました。中でも北海道に生息するヒグマはアイヌ語でキムンカムイ(山にいる神)と呼ばれ、特別な位置を占めてきました。
春にクマが生まれてから、冬に神の国へ送るまで、アイヌの人達は自分の子供のようにクマを大切に育てました。本展では、四季おりおりのアイヌの生活と、クマの成長、またクマが神の国へ帰るまでの1年間の営みを紹介します。

イラスト:キムンカムイとアイヌ春夏秋冬 フライヤー

展示期間

2018年11月24日(土曜日)から2019年1月23日(水曜日)まで

開館時間

9時30分から16時まで

休館日

毎週月曜日
年末年始は2018年12月28日から2019年1月3日まで休館日となります。

観覧料金

無料

展示構成

アイヌの世界観

  • チセ(家屋)模型
  • 熊檻
  • 祭壇模型

  • 熊の胆と胆干具
  • カンジキ
  • 狩猟用具

  • 熊用給餌具
  • 犬毛皮
  • アットゥシ

  • 木製匙
  • 肉切り台

  • 送られる小熊用の飾り
  • 祭壇
  • 熊送り儀礼用頭飾り

マタギの世界

  • マタギマネキン
  • 山達根本巻
  • モロビ
  • 売薬行商用道具

秋田とアイヌ

  • 蝦夷人物図屏風
  • アツシ
  • 藻汐草
  • えぞのてぶり(写本)

注:2018年12月24日(月曜日)より、屏風や矢筒など一部展示替えがあります。

主な展示資料

熊送り(イヨマンテ)に関する資料、アットゥシ 等
アイヌとヒグマとの関わりやマタギとツキノワグマとの関わりについて紹介します。

写真:小刀 マキリ・エピラ・エピリケヘ1
小刀 マキリ・エピラ・エピリケヘ

小刀は、アイヌの伝統文化において、最も身近な利器で、男女ともに日常的に携帯した。かつては複数の呼称があったとされるが、現在は小刀類を総称してマキリと呼ぶことが多い。

小刀 マキリ・エピラ・エピリケヘ
小刀 マキリ・エピラ・エピリケヘ

柄が鞘に呑み込まれるものが主流である。腰からさげるための根付には意匠をこらしたものが多く、クマの牙や爪を用いたものもある。

写真:冠 サパンペ・パウンペ・イナウル
冠 サパンペ・パウンペ・イナウル

男性が正装する際、サパンペ、パウンペなどと呼ばれる冠をかぶる。冠の前方先端に動物の木偶が付くことがあるが、現存資料にはクマの木偶が付くものが特に多い。

写真:耳飾り、首飾り帯
耳飾り、首飾り帯

クマの霊送りなどの大規模な儀礼では、参加者は正装でその場に臨む。女性は、真鍮や洋白などの金属から作られた耳飾り、チョーカー状の首飾り帯などを身につける。

写真:首飾り
首飾り

クマの霊送りなどの大規模な儀礼では、女性は美しい晴れ着を着用し、母親から受けついだガラス玉を連ねた首飾りなどを身につける。

写真:キケウシパスイ
キケウシパスイ

削りかけ(キケ)が付いていることから、キケウシパスイと呼ばれる。キケウシパスイは飼いグマの霊送りなど大規模な儀礼の際に一度限りしか使用されない。

写真:イクパスイ・イクニシ
イクパスイ・イクニシ

神に祈る際に、酒を届け、また祈り詞に不足がないように補ってくれる細長いへら状の儀礼具。クマの霊送りの一場面を表現したと思われる彫刻が施されたものもある。

写真:花矢 エペレアイ・ペペレアイ・チロシ
花矢 エペレアイ・ペペレアイ・チロシ

動物の霊送りにおいて使用される、儀礼用の矢。神の国へ帰るクマの霊などへの贈り物である。矢の中柄にあたる部分はノリウツギで作られる。

関連イベント

ギャラリーツアー

開催日:2018年11月24日(土曜日)
時間:9時30分から60分程度
会場:秋田県立博物館 企画展示室
講師:山崎 幸治 氏(北海道大学アイヌ・先住民研究センター准教授)
参加費:無料
事前申し込みは不要です。

講演会 アンレスカムイ-貴く愛しいクマ神 及びアイヌの歌・踊り

開催日:2018年12月9日(日曜日)
時間:13時30分から15時40分まで
会場:秋田県立博物館1階 講堂
講師:北原モコットゥナシ・次郎太氏(北海道大学アイヌ・先住民研究センター准教授)
アイヌの歌・踊り
演者:公益財団法人 アイヌ民族文化財団職員
参加費:無料
定員:80名
事前申し込みが必要となります。 

ワークショップ アイヌの矢作りと体験

開催日:2018年12月23日(日曜日)
時間:13時から14時30分まで
会場:秋田県立博物館 講堂及び学習室
講師:公益財団法人 アイヌ民族文化財団職員
費用:保険料1人150円。
対象:小学生4年生以上
定員:20名
注:小学4年生から6年生は保護者同伴の参加となります。
事前申し込みが必要となります。保険登録のため参加者の氏名(ふりがな)、住所、電話番号、生年月日をお知らせください。

ワークショップ及び対談 ツキノワグマ×ヒグマ(仮題)

開催日:2019年1月12日(土曜日)
会場:秋田県立博物館 講堂
時間
10時から正午まで:クマに関するワークショップ
13時30分から15時40分まで:対談
講師
葛西 真輔 氏(公益財団法人 知床財団保護管理研究係主任)
小松 武志 氏(北秋田市くまくま園 園長)
コーディネーター:船木 信一(秋田県立博物館 主任学芸主事(兼)班長)
参加費:無料
定員:80名
事前申し込みが必要となります。

申し込みについて

時間が変更になる場合がございます。詳細は秋田県立博物館へお問い合わせください。
申込みは、電話、ファクス、Eメールでお名前(ふりがな)、電話番号をお知らせください。
〒010-0124
秋田県秋田市金足鳰崎字後山52
電話番号:018-873-4121
ファクス:018-873-4123
Eメール:info@akihaku.jp

展示図録 

写真:キムンカムイとアイヌ 春夏秋冬 展示図録表紙

約250ページに及ぶ四季おりおりのアイヌとヒグマに関する資料、およびマタギの狩猟用具や秋田県内にあるアイヌ関係の資料を掲載。
定価1,500円(税込)。限定500部

展示図録の在庫、購入方法の詳細ついては展示図録のページをご確認ください。

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