| あらすじ |
財産もない、若い夫婦がいて、大晦日がやってきた。「で」は「あね」に、「五城目に松、ゆずりは買ってくる」と言って、十文ある銭を持って出かけた。松、ゆずりはを買うと、背負って起きられないくらい沢山くれた。あんまり重いので家まで背負っていくのが大変だし、「両国さ、上げ申す」と言うなり流してやった。家に着き、「あね」は、「松、ゆずりははどうした」と聞いた。「で」は事の次第を話すと、文句も言わなかった。「トン、トン、トントン」と戸を叩く音がする。人の声もするので戸を開けてみると「今日はありがとうございました。両国から迎えに来ました」と言う。「で」は断ったが、是非というのでやっと行く気になった。途中、使いの者は「帰る時、土産に何欲しいと聞くので、しらみたがれの長六をくれと言いなさい」と、教えた。「で」は十分ご馳走になったので、帰ろうとしたら、「土産に何が欲しいか」と聞くので、「しらみたがれの長六をくれ」「それは一番の宝だけれども、お前のことだからくれてやる。連れてこい」と、主人は下女に命じた。見ると、髪はばさばさで虫の子が一杯たかり、鼻と舌を垂らし、二目と見られない、汚い子供だった。「で」は、「からかわれたな」と後悔したが、仕方なしに貰ってきた。家に帰り、「あね」が一目見たところ、ひどく汚い子供だったが、そのことは一言も口にせず、薪をくべて、あたらせた。夜になったので寝ろとと言ったが、「ねない」と断り続けるので夫婦は先に寝た。ちょうど十二時ごろ、のんのらっと音がした。夫婦が見に行ってみると、じゃぐじゃぐじゃぐじゃぐ金山積んであった。 |