| あらすじ |
爺、婆、父、母と三人の娘がいた。田を千刈も作っていたが、田植えをすれば荒れてしまう。父が水口に立ち、「おれの願いを聞いてくれ、お前の望みも聞いてやるから」と頼むと、田ノ頭が現れて娘を一人暮れという。この事を娘たちに話すと、末の娘だけが嫁に行くと言い、針千本、釘千本、砂利千樽を田ノ頭が棲む包みの所に積んでくれと言った。嫁入りの日、田ノ頭がいる所へ娘が針千本と釘千本を投げ散らかし、田ノ頭が痛さにのたうっているところに、砂利千樽を投げ散らかしてつつみの底深くに押しつぶしてしまった。娘は一目散に逃げた。野を越え、山を越えていったら日が暮れ、折良く一軒の家があり、婆が住んでいた。泊めてくれと頼むと、「ここは怖くて人の来られないところだから」といい、縁の下に隠してくれた。翌朝、婆は袋に入れた炒り豆を娘にくれ、「必ず鬼どもの居るところを通るから、この豆を後に蒔き散らかして先へ逃げれ」と教えてくれた。鬼どもは娘を見つけると、追いかけてきた。豆をまき散らすと、拾って食った。それを繰り返していくうちに、いくつも山を越えて、あづまに来ていた。そこに、大きな家があり、「使ってくれないか」と頼むと、火焚きばばになれと言ってくれた。しばらく経ってこの娘が自分の部屋で一人になると、綺麗に身繕いをし、明かりをつけて勉強をしていた。ある晩、この家の兄が明かりが見えたので覗いてみると、昼見ている火焚きばばとは違って綺麗な娘が座って本を読んでいた。兄は毎晩覗き見るうちに、恋煩いをしてしまった。娘は兄の嫁になって幸せに暮らした。 |