| あらすじ |
昔ある所に、炭焼き小屋があり、雪の積もった晩にまたぎが一晩宿を乞うたが、親方に留守を頼まれた。またぎは疲れて火を燃やすことも忘れ、眠ってしまった。部屋の隅に屏風が立っていて立ち上がるものがあり、火をたくと影も見えなかった。また、火をたくのを忘れ眠ったかと思うと音がし、女のようだった。火を燃やし続け夜が明け、炭焼きの親方が村人を連れて戻ったので、またぎは昨夜のできごとを話した。妻が急死し村人を呼びに行くため留守を頼んだが、狼がつかまえようとしたのだろうと話して詫びた。またぎは、親方と村人、戸板にかつがれた妻と一緒に村へ帰った。 |
| 追記 |
由利郡大内村上川大内(由利本荘市)にあった類話に依ると、「親方の家さ勘作ど云う若勢えだ」が、ある年の冬、「オブシナ(産土)の夜ごもりの晩げ」村の人達と博打を始めたが負けたので、「バガクセァグ(馬鹿くさく)」なって縁側に出て、「シトゴロ(ふところ)探して見たば」「エジモンセン(一文銭)」がたった一つあったので、その穴から天狗が見えるといった。
又、最後にかくれ蓑とかくれ笠の焼けた灰をからだにぬって逃げ出したら、たった一ところぬり忘れたので、「家の前であしんで(遊んで)居だ餓鬼だあ、あらあらとびまら見る。とびまら見る(飛びまら見る)。」って云たけど。となっている。 |
| その他 |
昔→「むがし」と読む。あったずもな→「あったとさ」という意味。 |