| あらすじ |
山内村の平の沢にツルという美しい娘が、村の東の福万という所にクロウという働き者の若者、平野沢に藍婆王山という山に藍婆王という乱暴者が住んでいた。ツルは美しく、多くの若者が求婚したが、ツルとクロウは相思相愛だった。野良仕事も終わった頃、村外れの野原でクロウとツルが会っていると、藍婆王がそれを見つけ怒り、今度会っているところを見かけたら村から追い出してやる、と脅しクロウを田代のほうまでぶん投げた。
藍婆王はさかんにツルに求婚するが、ツルは断り続ける。そのころクロウは家からツルの住んでいる処まで夜も寝ないで地下道を掘っていた。季節が巡り春になると、クロウにあえない寂しさからツルは藍婆王の求婚をイヤイヤながら受け入れた。翌日嫁入りする日、クロウに別れを告げようと野原に行きクロウの名を呼びながら泣いていた。丁度クロウの掘った穴がその野原に通じ、二人は手を取り合い喜んだ。その晩から二人の姿は見えなくなり、朝になると野原に大きな池が出来て、その真ん中にクロウの草履とツルの花嫁衣装が浮かんでいた。いつ頃からか野原の池を「鶴ヶ池」、クロウの住んでいた村に出来た沼を「黒沼」、鶴ヶ池のある野原を「相野々」と呼ぶようになった。
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