| あらすじ |
二人の兄弟がいた。親たちは、兄から飯を貰って食うことはできないと心配したあげく、ある時二人を呼んで「旅に出て、先に金を良く持ってきた方にこのかまどを渡す」と言い、10両ずつくれた。その夜、兄は、「よしかえらぬの沼へ、この手紙を持っていけ」という夢を見た。次の夜も、その次の夜も見ましたが、三日目の朝、枕元に本物の手紙が置かれてあった。兄弟は旅に出た。途中、髪を被った女に出会い、「よしかえらぬの沼に連れて行って」と頼むと、「んばれ」と言った。ずっと行くと門があり、奥へ入っていくと、綺麗な池や庭があり、頭の長いのや、腹の脹れたのや、風変わりな人達がいた。頭の長いのが、「何しに来た」と尋ねると、兄は「夢のお告げで、この手紙を届けれと言われて持って来た」「そうか。ではゆっくり休んでいけ」といい、三日休ませて貰ったが、家に帰りたいと言った。「では、このうちから、どれでも好きなものを持って行け」「では、このえべこづちを貰っていく」と言って、たった一つだけ貰った。「これで望み通りのものを叩き出せ」と教えてくれた。兄が門の所へ戻ると、また髪を被った女が居て、「んばれ」と言ってくれた。家に戻ってみれば、弟が一足先に金を持ってきていたので、親たちは兄のことは問題にしなかった。叔父は仕方なしに、「山の一つもくれてやれ」と、意見を言ったから、小さな山をひとつくれた。兄は貰った山へ行って「じがだなれ」と、えべこづちを振ると、立派な屋敷ができた。「米百俵積んだ倉になれ」「大きな家建たれ」と言って振ると、その通りになった。叔父を呼んで来てもらうと、びっくりして親たちに知らせ、親たちも行って見て驚いた。おやじは家の横座にでんと座り動かなかった。 |