| あらすじ |
平安時代の頃、岩手の平泉の方から鬼達がやってきて荒らし回っていた。今でも湯沢市の奥に山田という所があり、切畑地区から雄勝町の院内に通じる山に鬼落山と呼ばれる岩山があり、そこの「鬼ヶ窓」の洞窟のことを「あぐろ岩」という。鬼は好き放題暴れ回り、役人も姫をさらわれて出羽の国司の所に逃げてしまった。そんな鬼の中でも鬼落村の「あぐろ王」は強く、羽後町の宇津野の「赤頭王」を味方にしてからは鬼の王になった。ある時、今日の都の天子様の耳に鬼の話が入り、坂上田村麻呂が京都から家来を引き連れ鬼退治に来た。しかしあぐろ王と赤頭王は強くなかなか倒せなかった。ある日、将軍の元に美しい娘が尋ねてきて力になる。明日の朝、蓮花台に来てくれ、と告げる。翌日将軍が行くと、昨日の娘が自分はこの地に住むガマだと告げ、4尺もある大ガマに姿を変えるとあぐろ王のいる鬼の巣窟に霧雨のような水を吹きかけた。すると霧が晴れ砦が見えたので、将軍の軍団は鬼の砦になだれ込んだ。術を破られたあぐろ王は怒ったが、田村麿に喉元を射られ絶命した。田村麿将軍は敵とはいえ、あぐろ王の武勇に感心し、首を持ち帰り、茨城の常磐神社に祀った。鬼落山の「鬼ヶ窓」はそれから「あぐろ岩」(阿黒岩)と呼ばれ近くに小さな祠も建てられた。また、この辺りは今でも霧が多く、霧畑という地名になった。 |