鐔 あやめ図透彫

あやめ図透彫

あやめ図透彫

あやめ図透彫

あやめ図透彫

受入番号
工芸コ107
資料名
鐔 あやめ図透彫
文化財指定
秋田県指定有形文化財
法量
直径7.6cm  厚さ0.6cm
材質・技法・形状
制作年代
1733年(享保18年)
作成地
秋田県秋田市
作成者
正阿弥伝内(しょうあみでんない・生年不明~1753年)
資料解説
この鐔(つば・刀を持つ手を守る金属の板)は金工職人正阿弥伝内が作りました。伝内は江戸時代に秋田を治めていた佐竹家に仕えていました。透かし彫り(模様をくりぬく)で流れる水を、肉彫り(模様を浮き上がらせる)でアヤメの花を表しています。
江戸時代になると戦がなくなり、日本刀は単に武器というだけでなく、地位や権力、持ち主の美意識を表すものになりました。そのため刀の部品一つ一つにも美しさや華やかさが求められ、職人たちも腕を振るったのです。
アヤメはショウブという花の古い名前で、漢字で書くと菖蒲(ショウブ)となります。
発音が「尚武(しょうぶ・武道を重んじる)」「勝負」と同じなので、武士たちに好まれる題材だったのです。
※現在はアヤメ(乾燥地・アヤメ科)とショウブ(湿地・サトイモ科)は別種に分類されています。
ですから鍔に彫られたのは現在でいう「水辺のショウブ」ということになります。